みどりに関する調査・計画
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樹木の生育診断

  
 近年、樹林地ではマツノザイセンチュウによるマツ枯れやカシノナガキクイムシによるナラ枯れ、果樹園ではクビアカツヤカミキリによるサクラやウメ、モモなどのバラ科樹木の枯れ、市街地でもウメ輪紋病やてんぐ巣病と様々な病虫害が発生しています。加えて台風や爆弾低気圧などの気象害、踏圧や大気汚染などの人間活動による被害もあります。
 マツやナラは樹林地の高木層を形成する主要種であり、それらの枯死は森林生態系に大きな影響を与えます。ウメやモモといった果樹を地元ブランドとして栽培している地域は多く、サクラに至っては古くから日本人に好まれ、植樹も多くされている種で、これらの種に被害が発生すると経済的・文化的被害も大きいものとなりかねません。
 また、市街地の街路樹では、街路樹の倒木や枯れ枝落下による事故の防止や交通の安全性の確保も重要となります。
 これらのことから、自然木、植栽木、果樹木、庭木などの生育状況を調査・診断し、病虫害や老木化などを原因とする倒木などの事故の防止や危険木の撤去、再植樹の計画などが求められています。
 樹木の生育診断においては、「樹木医」資格を有する社員による精密診断(レジストグラフ)のほか、目視による腐朽病害・病虫害の確認などを行います。その際により詳細に生育状況を確認する調査として、樹木の「活力度診断」や植栽環境としての「透水性」「土壌硬度」の測定など様々な診断方法を用いて、総合的に評価・診断を行います。  

街路樹の測樹

病虫害の確認

  
■活力度診断
 樹木の活力度の診断は樹形や枝の伸長量などの定性的診断の他に、植物の葉緑素量(SPAD値)を計測し、対象種の活力度を計る方法もあります。
 SPAD値は樹木の健全性を左右する窒素分の多寡を反映するが、計測例に示すとおり、樹種によって異なります。そこで、それぞれの樹種ごとに基準値とSPAD値を比較することで、各植栽環境における植栽木の健全性を客観的に評価することが可能となります。

葉緑素計

  

葉緑素量計測例

  

■透水性試験
 透水性(排水性)が悪いと土中に滲み込んだ水により根腐れを起こす可能性があります。
 そこで、簡易に透水性を確認するために植穴(径15cm程)に水を深さ20cm程入れて、水位の低下を測定します。一般的に24時間後に底部に水が認められない場合、透水性は良好とされます。   

  

透水性試験

 

■長谷川式土壌貫入試験
 街路樹や公園、埋立地のような人工地盤では植栽基盤が劣悪で地下の障害物により根茎が十分に伸長できず、生育不良となる場合があります。
 このような場所では測定地点毎に土壌断面を試坑して、山中式土壌硬度計で測定することは労力が必要で、効率が落ちてしまいます。
 そこで、長谷川式土壌貫入計を用いた調査を実施することで、効率的に土壌の各深度における土壌硬度の把握が可能となります。   

  

長谷川式土壌貫入計による測定

測定結果

    
■樹木活力診断の例

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