みどりに関する調査・計画
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イノシシ被害対策検討調査

 近年イノシシが農耕地のみならず住宅地にまで出没し、地域住民との間に軋轢が生じています。そこで当社では、イノシシ対策として防護柵の設置を計画・提案し、防護柵設置後は継続的な巡視を行い、その効果を検証しました。
 イノシシは決まった獣道に固執する傾向があるため、獣道上に設置された防護柵を押したり引いたりし、防護柵の破損(通り抜け)を繰り返します。
 このような動物の行動様式を確認するには、自動撮影調査による動画撮影が非常に有効です。この調査においても、防護柵の下部に潜り込むだけでなく、ネットの抑えロープをくわえて引っ張る等の防護柵に対するイノシシの行動が撮影され、有用なデータとなりました。
 なお、調査対象地が急傾斜の山裾部であったことから、設置した防護柵はステンレスが織り込まれたネットタイプを使用しました。スカートネットは0.3m幅では簡単に潜り込まれるため、1.0m幅としました。
 イノシシによる防護柵の破損被害頻度の状況を整理すると、1年目と2年目では被害が多く発生している場所が変わってきました。
 これは巡視で破損を確認するたびに、修復や追加防除(アンカー杭の追加設置や重しとなる横木の設置など)を続けてきた効果と考えられます。
 このようにイノシシ対策には、イノシシとの根比べが必要となり、イノシシがあきらめる、つまり「この場所は使いにくい」と感じるまで続ける事が重要です。   

被害発生頻度の変遷

 イノシシによる防護柵の破損被害の発生時期を整理すると、1月と5月に増加しています。
 これは、年末年始及び年度変わりに巡視を休んだことによる影響と考えられます。
 これはイノシシ対策において、継続的な対策の実施が効果的であることが記された結果となります。

月毎の被害発生状況

 繰り返しイノシシが防護柵を破損させた場所に対する対策として、効果的だったのが「横木の設置」です。
 スカートネットの上に周辺で発生した倒木等を利用した横木を設置します。横木の設置だけでも防除効果はありますが、スカートネットと横木を結束バンドで固定するとより効果的です。   

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