みどりに関する調査・計画
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ニホンジカ生息状況調査

 近年ニホンジカの生息数の増加に伴う森林植生への食害、およびそれに伴う森林生態系への影響などが問題となっていることから、対策の前提としてニホンジカの生息密度や出没状況に関する情報の収集が重要となっています。
 広域の森林地域におけるニホンジカの生息状況を把握するため、当社では「糞塊数調査」と「森林植生衰退状況調査」を実施して、ニホンジカの個体数と被害状況の把握を行っています。

■糞塊数調査
 尾根筋や谷筋を主に、ニホンジカの糞塊を脱糞時期より分類した上で、その個数を計数し、記録します。
 各調査メッシュで整理した糞塊数結果より推定式を用いて、メッシュ毎の推定生息密度を算出し、対象地域におけるニホンジカの生息状況を把握します。  

 また算出された推定生息密度を図示することで、対象地域におけるニホンジカの行動状況なども推測できるようになります。
 なお、「特定鳥獣保護管理計画作成のためのガイドライン(ニホンジカ編)」(2010年3月 環境省)によると、ニホンジカの密度管理のための水準として、「農林業被害があまり大きくならない密度は平均値で1〜2頭/ku、自然植生にあまり目立った影響がでない密度は平均値で3〜5頭/ku以下と言われている」「鳥獣保護区や自然公園地域内での密度も3〜5頭/ku以下に設定することが望ましい」とあります。

糞塊数確認位置図

ニホンジカの推定生息密度図

■森林植生衰退状況調査
 兵庫県森林動物研究センターで作成された調査票(シカによる森林植生衰退状況調査票Ver.2)などを用いて、目視確認により森林植生の被害状況を把握します。
 分析にあたっては、「樹皮剥ぎの有無」「低木層の被食程度」「ササの被食程度」「ササの矮性化の有無」「ディアラインの形成状況」「リターの被覆率」「土壌二次浸食・エロージョンの有無」の評価項目に着眼し、対象地域におけるニホンジカの累積利用圧を計ります。
 なお、推定生息密度と累積利用圧は相関関係が見られないことが多いです。これは、推定生息密度が「糞塊は調査した時期のその場所におけるニホンジカの利用状況の指標」であり、累積利用圧が「対象森林が複数年に渡って受けてきた影響の指標」であるため、それぞれが指標として意味するところが違うためによります。

「シカによる森林植生衰退状況調査票Ver.2」
兵庫県森林動物研究センター

ニホンジカの累積利用圧図

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